別荘地の水道料金
僕は現在、熱海から30分、三島から35分の伊豆の山奥にある某別荘地(もうバレているかもしれませんが)に住んでいるのですが、この別荘地の
水道料金が来年度から倍に跳ね上がることになりました。
現在
2,000円/月ですが、
4,900円/月に変更になります。
少し硬い話ですが、今回はこの別荘地の水道事情について紹介しようと思います。
値上げ幅だけを見ると2.45倍。ですので普通では考えられない上昇値です。値上げというのは10%くらいを徐々に徐々に。ということでこれは単なる普通の値上げではないのです。
この別荘地の水道事業を守っていくための施策らしい、です。
別荘地には管理組合があるのですが、役員さん達が散々議論した末に導き出した結論であろうことは間違いないと思います。
僕のようにBライフ生活を目指している者にとっては月額2,900円の値上げは非常に痛いですが、自分自身の納得性を高めるためにもこの記事を書くことにしました。なお、このページに記載している各数字は組合の資料から引用しています。
別荘地の開発は1960年代
1960年と言えば
50数年も前です。それに対して
水道管の寿命ですが、これは
40年らしいのです。もう寿命を過ぎているためあちらこちらで水漏れも起こっているということを最近知りました。
水漏れによって地中に垂れ流されている水量は全体の6割とも言われています。そしてこのまま保守をせずにいると地震などの災害がおこれば間違いなく全壊。
修繕積み立て
普通なら修繕積み立てのように計画的な積み立てをしてしかるべきです。マンションなどを購入すると立体駐車場やマンション本体を定期的にメンテしていくお金を当たり前のように徴収されていきますよね。しかし残念ながら、ここにはそういう考え方がなかったのです。
別荘地なのでおそらく、想像ですが、組合の役員さんといわれる方々もかなりの御年配。そしてもしかしたら当時は金持ちばかりで、壊れたら現金ポンで直せばいいでしょう、みたいな感覚だったのかもしれません。2,000万円くらいの別荘がごろごろころがっていた時代ですから。
組合役員が代替わりしてもその考えはずっと引き継がれてきたのでしょう。ですので今回の決定はまさに英断だと思います。組合役員さんが若返りしたとの話も聞いています。
未認可の水道事業
水道管の老朽化の問題もさることながら、なんとこの別荘地の水道事業は昭和の40数年ごろに認可更新の手続きを怠ったらしく、以降、
未認可状態のまま40年以上運営されてきたらしいのです。でも別にいいじゃない?それでずっときたのだから、とも思いますよね?
未認可のままだと何が困るか
自然災害が起こったときに
行政からの復興支援を受けられないらしい、のです。それは死活問題ですよね。老朽化が進み今にもぶっ壊れてしまいそうな状況。補修とあわせて認可もとっておくべき、というのはまともな判断だと思います。
補修に掛る総額
総額はなんと22億円!どひゃ~。そりゃそうですよね。ここは東京ドームが57個分も入ってしまう膨大な敷地面積を有しているのですから。でも2,900円の値上げくらいで22億円もまかなえるのかい!とも思いませんか。第二の疑問。
このカラクリは企業債らしいのです。伊豆の国市に水道事業を移管し、市が企業からお金を借りてそれを企業債として支払っていくという。毎年2,600万円。100年くらいの返済計画なのでしょうかね。気の長いお話です。
この補修に掛るお金2,600万円の他に維持管理費というのも計上されていて、そちらが700万円。合計3,300万円分を新たに徴収していこうというのが今回の値上げ分2,900円。
900世帯くらいあるので2,900円x12ヶ月x900世帯でだいたい3,300万円くらい。計算は合います。
他の地域の水道料金
ここは元々2,000円/月だったので安いなぁと感じていましたが、値上げされてもまだまだ他と比べて安いとのことです。水道料金の高い事業体のベスト5は以下。
夕張市 6,841円
深浦町 6,588円
羅臼町 6,340円
江差町 6,264円
上天草市6,264円
まあ夕張市なんて破産してしまった市ですからねぇ。そこを引き合いにだされても....。水道料金の高い地域というのは、多分ですが行政的なものが上手くいっていなかったところ、とも言えそうです。
ちなみに4,900円/月という金額は20㎡の使用までで、以降の超過分は1㎡当たり320円になります。一人暮らしでは毎日がんがんに水を使ったとしても20㎡はいきません。
水道のありがたさ
小屋暮らしのBライファーさん達のブログをよく読んでいるのですが、水に関してはみなさん苦労しています。井戸を掘ったり、湧き水を汲みにいったり。井戸を掘って水が出ても水質が悪い場合には高額な浄水システムが必要だったりと、本当苦労されています。
ライフラインとして電気、ガス、水。この3つの中でどれが一番重要かと言えば、やはり水なのです。電気もガスも代替手段はありますから。水だけは運よく飲料に使える綺麗な水源がなければアウトなのです。
例えば一日10リットルの水を使う(風呂などは入らない)として、毎日10リットルを30分ほどかけて汲みに行かなければならないとしたら、それは本当に辛いと思います。
金額にしたら30円分くらいです。だから水道って本当にありがたいものなのです。
それ故に、水道料金の値上げも、このありがたさを享受出来ていることを思えばなんとか我慢できたりもする気もします。
最近、ゴゴゴ~っという轟音がすることがあります。なんだろうかと思っていたら、もう水道管の補強工事が始まっているらしい。そうと分かるとこの轟音もなんだか頼もしく感じてくる。
自分一人では絶対に出来ないことをやってくれている。2.45倍もしかたのないことだと納得しています。
強引にまとめてみると
・水道料が勝手に2.45倍に上がりました。
・しかし別荘地に必要な費用だとも理解、納得。
・水道のありがたさも再認識。
別荘地への移住を検討している方は、水道料金とその歴史なども少し調べておいた方が良いかもです。また
水道事業の民営化という世の中の流れも要注意ですね。
水道事業の民営化法案は7月に可決されてしまっているので、あとは見守るだけしか出来ませんが、海外での民営化の事例などを見ると料金は上がることはあっても下がることはなさそうですね。
ちなみに
マニラで民営化されたときは
水道料金がいきなり5倍になり、富裕層しか水道を使えなくなったらしいです。
今回のこの別荘地の事例は私営を公営化するものですが、日本全国での民営化の流れでも今回の事例と同様に
水道管の補修費を上乗せしてくるはずですので、
大変なことになりそうだ、ということは想像できますよね。
みなさんがお住みの地域でも近い将来、動きがあるかもしれません。今後、要注目ですよ。
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